越境サプリメント・ブランド運営

第280号令施行120日:越境サプリメントは「緩いルート」から「三証の時代」へ

本文は越境ECを一般貿易の登録体系に入れていませんが、関連措置によって実務上の証拠要件は一般貿易に近い水準まで厳しくなっています。

公開日 2026年10月28日·更新日 2026年10月28日·読了目安 8分·DONGJIAN INSIGHTS

主なポイント

  • 税関総署令第280号は2026年6月1日に施行され、約5年間運用された第248号令に代わりました。監督は「固定リスト+事前の厳格審査」から「動的リスク分類、カテゴリー管理、全工程管理」へ移行しています。
  • 越境小売輸入は個人の自用輸入品として監督され、名目上は一般貿易の登録対象外です。しかし重点監督成分リスト、全成分申告、原産地確認の三点セットが、証拠基準を同じ水準まで引き上げています。
  • 業界への影響は分かれます。正規の海外ブランドはコンプライアンスコストが上がる一方で相対的に有利になり、OEM・ホワイトブランドには市場からの退出を迫るほどの引き締めになります。

第280号令で何が変わったのか

「中華人民共和国税関輸入食品海外生産企業登録管理規定」(税関総署令第280号)は2025年10月14日に公布され、2026年6月1日に施行されました。第248号令は廃止されています。

中核の変化は、第248号令の「固定リスト+事前の厳格審査」から「動的なリスク分類、カテゴリー管理、全工程監督」へ移ったことです。登録制度には三つの変化があります。高リスクカテゴリーは動的リストに入り、所在国の主管当局による審査・推薦が必要です。低リスクカテゴリーや相互承認協定国の企業は、簡素化されたリスト登録で利便性を得られます。登録有効期間は5年のままですが、自動継続の仕組みが加わり、高リスクカテゴリーは自動継続不可リストに入り、3〜12か月前に再審査が必要です。

監督の重点も後工程へ移りました。企業情報に重大な変更があれば登録を再申請しなければならず、税関は書面、動画、現場検査などで随時再確認できます。違反があれば輸入を直ちに停止でき、海外主管当局の監督が機能しなくなった場合は、その国からの対象食品の輸入を直接停止できます。

関連リストに保健食品も含まれる

2026年3月18日、税関総署は関連リストの公告を発表しました。公的推薦による登録が必要な輸入食品は17カテゴリーで、肉・肉製品、腸衣、燕の巣・燕の巣製品、蜂製品、卵・卵製品、食用油脂、具入り麺類、食用穀物、穀物粉・麦芽、脱水野菜、調味粉、ナッツ・種子、ドライフルーツ、特殊栄養食品、保健食品、乳製品、水産物が含まれます。

自動継続登録を認めない食品のリストには、肉・肉製品、燕の巣・燕の巣製品が含まれます。

申告要件も具体的です。貨物として輸入され、中国国内で人が食べる、または食品加工原料となる輸入食品は、輸入申告時に申告書の「製品資格」欄へ、対象食品の原産国に対応する海外生産企業の中国国内登録番号を正確に記入する必要があります。番号がなければ輸入できません。

越境が「名目上は影響を受けず、実務上は全面的に厳しくなる」理由

第280号令第30条は、越境EC小売輸入食品を越境EC小売の輸出入商品監督に関する規定に従って扱うと明記しています。つまり越境商品は貨物としてではなく個人の自用輸入品として監督され、一般貿易の厳格な登録体系には入っていません。越境の栄養補助食品への直接的な影響が限定的なのはこのためです。

しかし、越境だから無関係という意味ではありません。三つの関連措置が実質的な制約をつくります。

一つ目は重点監督成分リストです。現在約20種類が含まれ、リスト内の成分を含む商品は一般貿易でも越境チャネルでも、原産地証明書と技術規範の提出が必要です。

二つ目は全成分申告と書類の一致確認です。添加物の申告も強制対象となり、原料+添加物の全成分を一貫管理します。申告情報は登録・届出証憑、海外処方説明、第三者検査報告書、中国語ラベル、実物と完全に一致しなければ、返送のリスクがあります。

三つ目は原産地と真正性の確認です。プラットフォームには形式審査から実質確認へ移り、原産地の真正性と広告表現の適法性を確認することが求められています。海外店舗での一続きの販売動画は、この考え方から生まれたものです。

三つの証明書と通関港での確認

三点セットのもとでは、重点監督成分を含む商品に三つの証明書が求められます。原産地証明書、自由販売証明書、原産国公的機関の食用根拠です。

保税搬入の現場では「港を通るたびに確認される」という感覚になります。資料の再確認は細かくなり、手動審査の可能性も上がります。実務上は1か月以上のバッファを確保し、物流会社に「資料に疑義がある場合、直接返送されるのか、協議の余地があるのか」を前もって確認することをおすすめします。問題が起きてから聞くより、先に確認しておくほうが強いからです。

影響は分かれる

正規の海外ブランドは、原産地、海外での実売記録、完全な証明書を備えています。コンプライアンスコストは上がりますが、業界の整理が進んだ後は相対的に有利になります。これが「コンプライアンス元年」のもう一つの側面です。

OEMと自社工場ブランドは、工場の商業登記証明、生産契約、通関書類、自由流通証明、原産地証明など一式の資料が必要です。後ろ二つも前倒しされました。補える事業者は残り、補えない事業者は退出します。

ホワイトブランドと大規模な流通実績のないブランドは最も大きな影響を受けます。自由流通証明と原産地証明が前置きされた後、このタイプの事業者は出店段階で資料をそろえることがほぼできず、市場から一掃されるような引き締めになります。

プラットフォームは形式審査から実質確認へ、事後処理から事前防止へ移り、同時にデータの壁を越えて全工程のトレーサビリティを構築することも求められています。

今後12か月をどう見通すか

三つの方向に注目すべきです。一つ目は重点監督成分リストの追加で、定期的な再確認の仕組みが必要になります。二つ目は税関、市場監督、プラットフォームのデータ連携と、商品ごとのコードによる全工程トレーサビリティの推進です。三つ目は越境商品と国内商品を「同じ基準、同じ監督、同じ処罰」で扱う方向が明確になり、裁定余地が狭まり続けることです。

よくある質問

第280号令が越境ECに与える直接的な影響はどれほど大きいですか?

本文の制度面での影響は限定的です。第30条は越境商品を個人の自用輸入品として監督し、一般貿易の登録体系には入れていません。実際に効いてくるのは、重点監督成分リスト、全成分申告、原産地確認などの関連措置です。総合すると、越境で求められる証拠基準は一般貿易に近い水準まで引き上げられています。

保健食品は公的推薦による登録が必要なカテゴリーですか?

必要です。2026年3月18日に公表された、公的推薦による登録が必要な輸入食品リストは17カテゴリーで、保健食品も含まれます。ただし、この要件は貨物として輸入する一般貿易ルートに対するものです。

登録の有効期間は今も5年ですか?

5年のままですが、仕組みが変わりました。自動継続の仕組みが追加され、高リスクカテゴリーは自動継続不可リストに入るため、3〜12か月前に再審査が必要です。肉・肉製品、燕の巣・燕の巣製品が対象に含まれます。

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